飛鳥文化の寺院建築と伽藍配置

★基本のまとめ★
寺院建築ではそれまでの建築方法と異なり、礎石の上に柱を置き、屋根に瓦葺を使用するようになった。
寺院の伽藍配置金堂五重塔などのを中心とし、他に中門歩廊(回廊)などを建てていた。

★詳細解説★

伽藍【がらん】
寺院の建物。

金堂【こんどう】
寺院の中心的建物。
本尊を安置してある。

五重塔【ごじゅうのとう】
仏塔の一種。
他に三重塔などもあり、百済大寺には九重塔があったとされる。

礎石【そせき】
柱の下に置く石。
地面に柱が触れないため、掘立柱と比べて腐らず、建物も長持ちする。
寺院建築や宮都の官衙などで使用されるようになった。

瓦葺【かわらぶき】
屋根を瓦で葺いたもの。
檜皮葺よりも耐火性や耐久性に優れ、寺院建築に使用された。

南北朝様式【なんぼくちょうようしき】
中国の南北朝時代の建築様式。
エンタシス、卍崩しの勾欄、人字形割束など、飛鳥文化に影響がみられる。

エンタシス
柱の一部をふくらませたもの。
古代ギリシアが発祥ともいう。

卍崩しの勾欄【まんじくずしのこうらん】
卍の形を崩した形状の欄干。

人字形割束【ひとじがたわりづか】
人という字の形をした短い柱。

法隆寺西院【ほうりゅうじさいいん】
法隆寺の金堂や五重塔がある伽藍。

法隆寺金堂【ほうりゅうじこんどう】
法隆寺西院にある金堂。
南北朝様式が特徴で、卍崩しの勾欄、人字形割束、大斗、雲形肘木などがみられる。
現存する世界最古の木造建築。

法隆寺五重塔【ほうりゅうじごじゅうのとう】
法隆寺西院の仏塔。
飛鳥様式を伝える。

法隆寺中門【ほうりゅうじちゅうもん】
法隆寺西院の南側にある門。

法隆寺歩廊(回廊)【ほうりゅうじほろう(かいろう)】
法隆寺西院の回廊。

若草伽藍跡【わかくさがらんあと】
法隆寺西院の南東にある伽藍跡。
創建時の伽藍と考えられている。

法隆寺再建・非再建論争【ほうりゅうじさいけん・ひさいけんろんそう】
法隆寺西院伽藍の建立時期の論争。
『日本書紀』は670年に法隆寺に火災があったとしており、再建したとの説が出た。
若草伽藍跡の発掘調査が行なわれ再建説が有力となる。

伽藍配置【がらんはいち】
寺院の建物の配置のこと。

飛鳥寺式伽藍配置【あすかでらしきがらんはいち】
一つの塔の周辺に三つの金堂が配置されている。

四天王寺式伽藍配置【してんのうじしきがらんはいち】
北に金堂、南に塔が一つずつ縦に配置されている。
若草伽藍もこれにあたる。

法隆寺式伽藍配置【ほうりゅうじしきがらんはいち】
東に金堂、西に塔が一つずつ横に配置されている。

薬師寺式伽藍配置【やくしじしきがらんはいち】
金堂とその南に二つの塔が横に配置されている。

東大寺式伽藍配置【とうだいじしきがらんはいち】
回廊の内側に金堂、外側に二つの塔が配置されている。

大安寺式伽藍配置【だいあんじしきがらんはいち】
二つの塔が東大寺式伽藍配置よりも遠くなり、南大門の南に配置されている。

伽藍配置の変遷
飛鳥寺式伽藍配置のように初期の伽藍配置では塔が中心だった。
その後、四天王寺式伽藍配置・法隆寺式伽藍配置では塔と金堂が並び、薬師寺式伽藍配置や東大寺式伽藍配置では金堂が中心となっていった。


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